平成30年度の施政方針

ホーム > 村長の部屋 > 平成30年度の施政方針

平成30年度施政方針

 平成30 年第1 回新島村議会定例会の開会にあたり、 村政に対する所信を申し延べさせていただき、 議員各位並びに村民の皆様のご理解、ご協力を賜りたいと存じます。今日の国際情勢を見ますと、北朝鮮や韓国など日本近隣諸国の混迷、台湾の大震災等、様々な要因による先の読めない情勢が続いております。一方、我が国では、安倍内閣の施政方針において、戦後の労働基準法制定以来70年ぶりの労働大改革が打ち出された他、当村でも課題となっている介護人材の確保に向けた処遇改善の推進や、アベノミクスによる日本経済の7四半期連続プラス成長、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年を目途にIT、ロボット、人工知能などの活用における生産性革命への取り組みを示しました。また、東京都におきましても、平成27年国勢調査の結果をもとに推計すると平成37年をピークに人口減少に転じる見込みであり、世界的にも労働生産性、女性活躍が遅れている現状を打ち破るため、「東京大改革」をかかげ、先日公表された「2020改革プラン」で「しごと改革」「見える化改革」「仕組み改革」の3つの改革を打ち出しているところであります。

 全国的に急激な少子高齢化と人口減少が同時進行する中、当村におきましても例外ではなく、地域における産業の活性化や人材の確保、少子高齢化・人口減少への対応、自然災害などに対する防災対策などの課題が山積しております。このため、国の長期ビジョンである「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を踏まえ、平成27年度に策定した「新島村総合戦略」におきまして、人口減少を克服すべく取り組んでいるところであります。改めて申し上げるまでもなく、これからは人口減少が続く時代へと日本、東京都、そして当村の社会が激変する大転換期のはざまにおかれております。人口減少社会に対応し、「将来にわたって住み続けたいと思っていただける魅力ある新島・式根島」の実現に向けて、議会をはじめ村民の皆様とともに取り組んでまいりたいと考えております。

それでは、平成30年度の主要な事業につきまして、ご説明申し上げます。

健全な財政運営を目指して

 国は、平成30年度予算の基本的考え方として「経済・財政再生計画」の最終年度であり、歳出改革を着実に推進し財政健全化への取組を進める一方、成長と分配の好循環に向けた重要な政策課題について予算措置を講じるなど、メリハリの利いた予算編成としております。地方財政対策につきましては、地方が安定的な財政運営を行うために必要となる一般財源について、平成29年度地方財政計画を上回る額を確保するとしておりますが、地方交付税総額につきましては、昨年度比2.0パーセント減の16兆85億円となっております。

 一方、東京都におきましては、「将来を見据えて財政の健全性を堅持しつつ、東京2020大会の成功とその先の未来に向けて、都政に課せられた使命を確実に果たしていく予算」と位置付け、「新しい東京」の創出を目指し、東京の持つ無限の可能性を引き出す取り組みを積極的に推進すること、従来にも増して創意工夫を凝らし、より一層、無駄の排除を徹底するなど、ワイズスペンディング(賢い支出)で都民ファーストの視点に立った取り組みを推進すること、東京2020大会の開催準備に係る取り組みを着実かつ効果的に推進することを基本として、予算編成が行われました。そうした中「市町村総合交付金」につきましては、東京都との政策連携枠20億円を含む対前年度比50億円増の550億円が計上され、市町村への財政支援の体制がとられています。

 当村の平成30年度予算は、一般会計予算額46億2,299万1千円となり、対前年度比プラス3.4%、金額にして1億5,045万5千円の増額予算となっており、特別会計の予算総額は、22億6,878万8千円で、対前年度比約0.3%の減額となっております。特別会計の各事業については、一般会計からの繰出金により、円滑な運営と安定した住民サービスの提供を図ってまいります。今後も、国や東京都の動向を把握し、補助金等の確保に努めるとともに、基金や地方債の有効活用を図りつつ、堅実かつ効率的な財政運営を図ってまいります。

職員の定員管理・人材育成

 行政の職務は多様化、複雑化、専門化しており村民のニーズに対応するため、業務の変動とともに総量は増加してきております。さらに、国および都より移譲された事務も多くあり、業務の拡大に伴い職員の効率的な配置を行う必要があります。そのため、職員数については、計画的に定員を管理し、長期的な視点での管理計画を策定するとともに、それに対応すべく迅速な人員の増減を行ってまいります。さらに、職員の育成については、必要な知識と技術等のスキルアップを図るため、職員研修所での研修に積極的な参加を促すとともに、各種専門研修等、職務に沿った新たな知識の習得を推進し、公務員として一人ひとりが、行政のみならず地域の原動力になるよう努めてまいります。

 次に人事評価制度ですが、公平な運用を目指すとともに、職員全員が目標の達成を目指し、強いては組織全体の意識向上へと繋げるべく取り組んでまいります。職員の再任用につきましては、今後も無収入期間が発生しないよう、雇用と年金の接続を図り、ベテラン職員の能力を最大限活用し、後輩への指導を行うなど、大きな原動力になることを期待しております。村政運営には良質な人材が必要です。職員が全体の奉仕者として公共のために勤務すること、さらに、公務における規律と秩序を維持することなど、職業倫理にもとづき職務遂行に努めてまいります。

情報のセキュリティー

 村では個人情報及び特定個人情報を多く取り扱っております。今後も村の情報セキュリティ対策として2要素認証システムの運用を行い、情報漏洩の事件・事故がないよう慎重に取り組むとともに、東京都と連携した自治体情報セキュリティクラウドの運用により、インターネット環境の高度なセキュリティ対策を講じてまいります。

住民の生命と財産を守る

 次に防災事業についてですが、ハード面では、課題であった若郷地区避難施設の整地及び基本設計を行い、地震や津波はもちろん大雨や土砂災害にも対応できるように施設整備事業を着実に進めてまいります。また、津波避難路および津波避難タワーの整備は、29年度に引き続き、南海トラフ地震に備えた災害対策事業として着実に進めてまいります。

 ソフト面では地域防災計画の見直しや、昨年8月に新たに土砂災害危険区域が指定されたことに伴い、土砂災害ハザードマップを新たに作成します。また、防災訓練につきましては、防災委員の方々と協議の上、訓練を計画および実施し、住民の防災意識の向上に努めてまいります。災害は、公助による支援だけでは対応が困難となっています。住民一人ひとりが「自分の命は自分で守る」という自助能力を高め、共助の担い手である自治会の防災力を向上させ、民間事業者の組織力や機動力の活用など、自助・共助・公助の総合力で対応することが重要であります。

 当村におきましても、8月の台風5号をはじめ、10月の台風21号により温泉や海岸線等に多大な被害がありました。幸い人的被害はありませんでしたが、いつ起きるかわからない災害に備えた対応策が急務となっております。今後も各種防災事業に取り組むとともに、将来を見据えた計画を検討し、新島村の防災力向上を目指してまいります。

消防業務について

 常備消防のない当村にとって、消防団は地域防災の要となる存在です。近年、大規模災害発生が懸念される中、消防団員の確保と災害対応能力向上の必要性が以前にも増して高まってきております。平成30年度も東京都消防訓練所、日本消防協会、東京都消防協会などの指導を仰ぎながら、消防団の地域防災力の強化・充実に努めてまいります。

コミュニティ活動への支援

 住民のコミュニティ活動につきましては、現在、自治会連合会を頂点として、各町会、各コミュニティ団体が様々な活動を行っております。今後も、その活動を支援するため、各町会への活動費補助金および新島村地域力向上事業交付金を計上しております。昨年度、都の施策として、都内自治会連合会の代表者等を委員とした「東京都地域活動に関する検討会」が設置されており、島しょ部唯一の自治会連合会である当村の自治会連合会長が委員として参加しております。今後につきましても、東京都・村だけでなく、自治会や各コミュニティ団体の皆様が一丸となり、地域課題の共有、解決を行っていくことが重要であると考えておりますので、ご尽力を賜りたいと存じます。

定住化対策および空き家対策

 定住化対策については、昨年度より開始いたしました「新島村定住化体験住宅」とともに「新島村空き家バンク事業」、「新島村定住化対策事業交付金」の3つの施策を基に、定住・移住希望者への支援を継続し、村内の土地および家屋の流動化を進めてまいります。また、全国的に問題となっております空き家問題につきましては、昨年度末に設置いたしました「新島村空き家等対策協議会」のご尽力を得て、先日パブリックコメントを実施した「新島村空き家等対策計画」が3月中に策定される見込みです。その中で実施した空き家実態調査によりますと、当村の空き家数は3地区あわせて131件となっており、中でも老朽化等で管理状態の良くない空き家が全体の23%を占めております。そのまま放置すれば周辺住民の皆様に悪影響を及ぼす可能性のある空き家になりかねないという懸念を抱くことから、今後、本計画を基に「空き家等の発生抑制」「空き家等の適正管理」「空き家等の利活用」の三本柱により、村内家屋および土地所有者の皆様に適正管理を実施していただけるよう、様々な支援を行ってまいります。

超高速ブロードバンドの導入

 超高速ブロードバンドの導入につきましては、東京都による海底光ファイバーケーブルの敷設整備に併せ、当村も光回線島内網整備工事を実施し、平成29年度中の施工完了を予定しています。通信事業者の光回線サービス開始時期については、平成30年6月以降を予定しておりますが、今後は、光回線島内網の維持管理を行うと共に、ICT化推進のために住民及び島内事業者への光回線の加入促進および地域活性化へ繋がる利活用を図ってまいります。

島の経済を支える産業の振興

観光・商工事業

 観光商工事業につきましては、平成29年中の来島者数は新島・式根島を合わせて対前年比103%で75,377人と3年続けて増加しています。まず、観光庁の調査による国内旅行状況をみますと、日帰り旅行、宿泊旅行とも上昇しており、旅行先も煩雑な土地を避け、様々な地を訪れています。また、訪日外国人旅行者についても増加傾向にあります。当村においても、来島者が年々増加しており、特に式根島では2,000人近く増加しています。今年度の誘客事業ですが、宣伝事業としまして、島じまん2018への参加をはじめ、都内の物産展に参加し、観光PR及び特産品販売などを継続して行うほか、定着しつつある「くさや試食会」をお台場で開催いたします。また商工会への委託事業として、島外の映画関係や映像クリエーターを目指す学生を対象に、学生目線で「島の短編PR映像」を製作していただき、コンテスト形式にした「映像のチカラコンテスト」を継続実施いたします。その他、申し込みが殺到し参加制限せざるを得ないトライアスロン大会をはじめ、式根島マラソン大会、オープンウォータースイミング大会やサーフィン大会などのスポーツイベントを引き続き実施します。また、秋には新島国際ガラスフェスティバルも継続開催いたします。

 ハード事業につきましては、式根島の遊歩道展望台の塗装や案内看板の改修を実施し、来島者の利便性向上を図ってまいります。また、29年度より順延となっております東京都の野伏漁港船客待合所の建設が開始された折には、建設費の一部を負担するとともに、待合所内に売店を設置し、新島港船客待合所と同様、観光交流広場と位置付け、新たな観光拠点として来島者のみならず住民の利便性の向上を目指します。関係団体への支援につきましては、商工会を中心としたロケーションボックス事業に対し、新たに研修費を含め支援するほか、両島観光協会に対しましても引き続き支援を行ってまいります。観光産業につきましては、来島者が増えるような施策を行い、事業を展開してまいりますが、同時に「オフシーズンの旅行者を増加させる」ことが重要です。新島・式根島2島それぞれにあった振興策を講じるべく、関係団体と知恵を絞り、実現できるよう進めてまいります。ゴールデンウィーク、イベント時やお盆時期など特定時期に来島者が集中することで、受け入れ宿泊施設の不足が発生しておりますが、素泊まり施設や「B&B」などの宿泊事業者の負担の少ない施設が増えるよう、両観光協会及び商工会と協力し、検討してまいりたいと考えています。

農林業事業

 農林業事業につきましては、農家や農業団体が、農作物の生産に励むことができるよう支援を続けていくとともに、新規の就農者が研修しながら営農ができるような体制づくりを行ってまいります。ふれあい農園では、昨年から生産性向上のため、農業用重機を新規に整備しておりますが、30年度につきましてはフォークリフト、軽ダンプ、小型トラクター等の整備を行い、作業効率の向上を図ります。また、大量かつ安定的に優良苗の供給を図るため、育苗施設の整備を行う他、老朽化に伴う給水施設の改修等を実施いたします。また、農業を基盤としている認定農業者や生産団体に、より一層の営農の取り組みを図ってもらうため、引き続き、農業支援事業を行ってまいります。国及び都の補助事業を活用し、加工施設整備支援や開墾支援事業を進めてまいります。

 ハード事業につきましては、「若郷久田巻地区の暗きょ排水対策工事」を2か年にわたり実施します。昨年、本事業説明会を実施したところですが、工事開始にあたっては再度所有者への連絡を密にし、円滑な事業の推進を図ってまいります。また、農地内の危険個所の安全対策として、「大原東西2号線」のガードレール設置工事を実施いたします。有害鳥獣対策につきましては、鹿の生息範囲が広く、食害による地形の変化や農地への侵入被害も報告されておりますので、関係機関と相談しつつ、引き続き根絶を目指し実施してまいります。

水産事業

 水産事業につきましては、島の重要な主要産業であり、施設の整備や様々な支援を行い、今後も可能な限り水産振興を図っていきたいと考えております。30年度の事業につきましては、稚貝・稚魚の種苗放流を継続実施するとともに、人材育成事業として漁業体験教室を継続開催いたします。水産業は他の産業と比べ、後継者不足問題がより深刻でありますので、にいじま漁協組合への委託事業として、新たに新規就業者支援事業も実施してまいります。式根島養殖場につきましては、運営が逼迫するなか具体的な解決策が見つからない状態が続いておりますが、島内消費の増加を目指し、鋭意努力してまいります。水産加工業につきましては、都の補助事業である水産加工経営強化促進事業を活用して、新たな流通経路を開拓し、新商品の開発を行いながら販売量を伸ばすことができるよう支援する他、販路拡大・販売量増加のため、引き続き各物産展への参加についても支援を行います。また、製氷貯氷冷凍冷蔵施設におきましては、老朽化が著しいため漁業者をはじめ利用団体の利便性を考慮し、改修のための設計業務委託を行います。ハード事業につきましては、主なものとして水産加工一次施設改修工事、特産品物流センターおよび開発普及センターの冷蔵設備改修工事を実施いたします。村の産業を取り巻く状況は厳しいものがありますが、今後も各産業関係団体と各分野で協力・連携し、島の経済を支えてまいりたいと考えています。

健康で明るい暮らしのできる村を目指して

 健康で明るい暮らしを続けることは、村民だれしもの願いです。今後も医療、福祉、介護等の関係機関との連携を図りながら、健康で生き生きと暮らせる村を目指してまいります。介護保険は、高齢者を支えていく社会保障制度として定着しておりますが、介護給付費は年々増大し、高齢化率の増加に伴い、更なる介護保険の利用者増が見込まれております。29年度から介護予防給付のうち、「介護予防訪問介護」と「介護予防通所つうしょ介護」については、「介護予防・日常生活支援総合事業」に変わりました。それ以外のサービスは、予防給付に残り、要支援1・2の方も予防教室等が利用できます。また、29年度に第7期介護保険事業計画の策定が完了いたしましたので、30年度以降3年間、適切な介護保険事業の運営を行ってまいります。「式根島福祉拠点施設整備事業」につきましては、28年度に用地購入、29年度は地域住民の方との検討会および地形測量を行い、用地の有効活用について検討してまいりました。30年度は基本設計、実施設計、敷地造成整備を進めてまいります。新島老人ホームは、現在、要介護3以上の方18名が入所希望者として待機しております。今後も施設介護を必要とする方は増加傾向となると思われますので、このような状況を少しでも改善するために、介護予防に重点をおいた事業を実施し、介護を必要とする高齢者の減少を目指してまいります。また、施設の整備、機械の老朽化に伴う交換など運営補助についても引き続き行うとともに、数年来、人材の確保が大きな課題の一つであることから、島内外での人材確保について情報共有しながら進めてまいります。同時に、従来から実施している独居高齢者、高齢者世帯等への見守り活動についても、民生・児童委員を中心に、関係機関と協力しながら、きめ細かい対応を心掛け、住民が抱えている問題等に対し、適切かつ迅速に対応してまいります。

 次に障害者福祉につきましては、今年度も障害者が必要なサービスをスムーズに利用することができるよう、障害者・障害児の相談支援体制の強化に努める他、障害者が地域で安心して働けるよう、引き続き就労支援事業を実施してまいります。また、これらの事業のみに頼ることなく、総合的に障害者就労を進めていけるような体制づくりを行うとともに、村内事業者と連携した、障害者の就労機会確保のための仕組みづくりを推進してまいります。障害者の働く場の創出事業は、今年度より村の直営事業として、青葉会館において継続して実施してまいります。利用者および「あおば加工場」スタッフの意見を取り入れながら将来的な発展を目指し、進めてまいります。また、28年度から実施している「障害者への理解を深めるためのつどい」は、昨年は5回実施し、多くの方々に関心を持って参加していただきましたので、30年度も地域の方々に理解を深めていただくため、継続実施してまいります。

 児童福祉につきましては、従来からの子どもの医療費に対する助成に加え、高校生の医療費無償化を平成28年度から実施しております。平成28年度は21件、29年度は1月までで20件の申請があり、高校生の医療費助成を行いました。村立保育園につきましては、保育の質の向上を図るため、平成30年度から臨床心理士を保育園に招き、保育園児の園内での行動観察及び心理判定を実施することにより、専門的な助言・指導をいただきながら、より実りある保育計画の作成及び保育の実施を行います。

 子育て支援につきましては、子ども家庭支援センターが中心となり「総合相談」「家庭訪問」などを通じ、地域のすべての子育てに関して、支援を実施しております。昨今の虐待や育児に対する問題につきましても、東京都児童相談センターを初め、保育園、各学校、診療所、警察など各関係機関の横断的な連携体制のもと対応してまいります。「新島もんもクラブ」につきましても、年々利用者が増加傾向にあるため、今後も会員の増強を目指し、利用者の意見に耳を傾け、当村の現状に則した、真に必要なサービスを提供し、新島村として子供一人ひとりの育成をサポートする事業を行ってまいります。新島村社会福祉協議会及び新島はまゆう会、高齢者に「働く喜び・働く場」の提供をしておりますシルバー人材センター等の関係福祉団体につきましては、より一層連携を深めるとともに、地域福祉の向上を目指し、新たな事業展開につきましても取り組んでまいります。

 次に、医療保険制度についてですが、後期高齢者医療につきましては、今後も東京都後期高齢者医療広域連合と連携し、高齢者が安心して医療を受けられるよう制度の円滑な運営に努めてまいります。国民健康保険につきましては、4月から東京都も保険者となり新島村とともに国保の運営を担う、新国保制度がスタートいたします。国としては、昭和36年以来の約50年ぶりの改革となりますが、「財政基盤の強化」、「運営の在り方の見直し」を行うことにより、一般会計の繰り入れの必要性を解消することにつながるなど、将来にわたって持続可能な制度となる仕組みを構築することを目指したものとなっています。今後は、住民の皆様の負担が過度にならぬ様に複数年かけ調整していくとともに、赤字繰り入れの解消、公平性の確保の観点からも国民健康保険税の収納率の更なる向上を目指しつつ、事業の健全な運営を図ってまいります。また、新制度においても医療費の削減については大きな課題となっており、特定健康診査などの保険事業の充実や新たな施策を検討し、その成果が医療費の抑制に反映できるよう、さわやか健康センターをはじめ、関係部署とともに、さらに取り組んでいきたいと考えております。

 さわやか健康センターにつきましては、これまでと同様「村の保健サービスの拠点」として、母子保健事業をはじめ精神保健事業、食育事業、各種ガン検診等の健康増進事業を継続実施し、こどもから高齢者まで住民の健康づくりの一翼を担ってまいります。又、医療制度改革等、保健、医療、福祉の枠組みを越えた活動も必要となっているため、各部署と連携を行い、引き続き各種事業を進めてまいります。母子保健につきましては、妊産婦や乳幼児の健診から子育て相談等育児の不安軽減を図り、安心して出産から育児ができる環境づくりに努めるべく専門職が中心となり地域ボランティアの協力のもと両親学級や育児学級を継続実施してまいります。精神保健につきましては、障害者ディサービスを実施し自立へのサポートを引き続き行ってまいります。介護予防事業につきましては、引き続き介護予防リーダーを中心として介護予防の活動を推進してまいります。予防接種事業につきましては、乳幼児の予防接種をはじめ高齢者の肺炎球菌ワクチンやインフルエンザ予防接種を実施し、感染症予防に努めてまいります。がん検診事業につきましては、厚生労働省の指針に基づき、引き続き検診を実施し、病気の早期発見に繋げるため、一人でも多くの方々が受診されるよう受診者の増加に努めてまいります。食育事業につきましては、「食育推進計画」に沿って「食を通し、心身とともに健やかな島の子どもを育む、高齢になっても、健康な食生活を送ることができる」という「子どもから大人まで途切れない食育」をテーマに引き続き事業を進めてまいります。

安心と信頼性のある医療業務

 全国的な問題ではありますが、へき地医療圏における医師、看護師、技師等の医療人材の確保は、住民の皆様への安全かつ安定的な医療の提供を継続していくために大きな課題となっています。幸いにも当村においては、医科・歯科ともに、東京都並びに協力病院等のご尽力により、現在のところスタッフは充足しておりますが、今後については予測ができません。不測の事態に備え、協力病院等との連携を密にし、良好な関係を築くことにより、特に医師の確保について万全な体制を構築してまいります。30年度においては、従来派遣いただいている自治医大卒業医が新島については人材不足から派遣いただけなくなり、代わりに順天堂医院から2名の派遣をいただくこととなっております。式根島については、従来通り、自治医大卒業医の派遣が継続されます。歯科については、新島・式根島ともに日大歯科病院からの派遣が継続されますが、30年度から新たに「矯正歯科」などの専門的な診療についても診療所で診察できるよう、年4回ほどの専門診療日を設けてまいります。次に、医科における専門診療についてですが、30年度においては、受診者の多い眼科専門診療を年6回に増やすなど、受診実績等を勘案しながら、実施回数を6科19回38日とする他、先の議会で議員から提言のありました、他科の専門診療についても検討してまいります。また、30年度においては、看護師の研修機会を増やします。看護師それぞれが個別に目標をもって専門研修に参加し、その研修で得られた知見を診療業務に活かしてまいります。診療所内の設備、機材等につきましては順次更新しておりますが、30年度につきましては、新島では、個人用透析装置、超音波診断装置、分包機、眼科検査機器等の購入を、式根島については除細動器並びに心臓マッサージシステムの購入を予定しております。今後も耐用年数等を考慮し早めの更新を進めるとともに、機器の充実を推進してまいります。また、本村診療所の老朽化が進んでおり、移転改築が必要な時期を迎えようとしておりますが、村全体の計画と合わせながら検討していくとともに、現在の施設をさらに利用しやすくするため、様々な工夫を行ってまいります。今後においても、住民の皆様の健康を守るため、診療所スタッフ一丸となって努力してまいりますので、ご理解ご協力をお願いいたします。

循環型社会の構築を目指して

 次に環境衛生関係ですが、新島村循環型社会形成推進地域計画に基づき、平成30年度完成を目指し、平成28年度から新焼却施設の工事に着手しておりますが、当村における住民ひとり当たりのごみ排出量は、1日当たり約1.8キログラムとなっており、東京都の平均を大きく上回っているのが現状です。当村においては、平成28年度から可燃ごみの焼却処理を一本化することによりコスト削減に努めておりますが、循環型社会の形成には、再資源化など、適正な処分の推進が必要となり必然的に新たなコストが発生してしまうことから、廃棄物の排出を抑制する取り組みを基本とし、単に再資源化率を高めるだけではなく、コストと環境影響の両面から評価し、両者のバランスを取りながら当村の状況に適合した組合せを検討してまいります。また、資源化に向けたストックヤードの整備並びに、それに付随する既設焼却施設の解体については、新たな地域計画の策定が必要となることから、国の財政状況を踏まえ、東京都と協議し、その時期を検討してまいります。一般廃棄物処理事業においては、ハード・ソフトともに、取り組むべき課題は山積しておりますが、ごみ処理施設の適正な維持管理に努めるとともに、引き続き住民の皆様のご協力を得て、安全で安心した施設運営に努めてまいります。

生活の基盤整備について

 まず、道路整備事業についてですが、新島地区においては、昨年度に引続き羽伏浦線改良工事を実施いたします。また、式根島地区においても大浦線改修工事を継続実施するほか、式根ヶ沢野伏線道路改修工事に係る測量・実施設計委託を行い、早期実施に備えます。その他の路線においても日々点検を行い、不具合や危険等のある箇所が判明した場合は、速やかに補修等を行い村内交通の安全を確保いたします。公園事業につきましては、遊具やベンチ等の安全性を常に考慮した適正な維持管理に努め、より安全な施設として利用していただけるようにいたします。村営住宅維持整備事業についてですが、近年、特に老朽化が著しい住宅は、優先順位を定めて計画的に改修を実施しております。今後も引き続き、改修が必要な住宅について調査、検討を行ってまいります。また、日々の管理においても、頻繁に点検を実施し、故障や不具合に即応した維持管理を行うとともに入居者の退去時等に合わせてリフォームを実施し、住宅機能の改善を図り、入居者の利便性向上に努めてまいります。簡易水道事業につきましては、昨年度に引続き、若郷地区については、浄水場の更新工事を行います。本村地区につきましては、本村第三配水池の耐震診断委託を実施し、早期更新実施に備えます。また、その他各施設・設備においても老朽化が著しく進行している部分が多いため、日々の保守点検を厳に行い、安全・安心な水道水の安定供給を図ってまいります。下水道事業につきましては、本村処理区の全面供用開始に向けた管渠布設工事を引続き実施していくとともに、下水道加入率の向上を図ってまいります。また、式根島地区の下水道整備につきましては、昨年度の管渠及び処理場の基本設計に基づき、両施設の実施設計委託を行います。この設計を基に平成31年度から同施設の整備工事に着手し、早期完了を目指してまいります。港湾整備につきましては、離島の住民生活にとって重要なライフラインであり、産業・経済の振興に欠かすことのできない基盤施設であります。平成29年度中に東京都事業で予定されておりましたが、入札不調のため先送りとなっておりました式根島野伏漁港船客待合所建替え工事及び新島港津波避難タワーの新設工事につきましては、今年度再度入札が行われる予定となっており、落札されれば工事が実施される見込みです。新島港や各漁港の整備については、今後も現行の計画に沿って着実に整備が進められるよう、関係者との意見調整を踏まえながら推進するとともに、その計画の早期実現に向け、国・東京都に対し、議会及び関係各位とともに、積極的に要望してまいります。

連絡船事業

 次に連絡船事業についてですが、連絡船にしきは、新島・式根島に暮らす住民の生活に欠かせない人的・物的輸送の生活航路として、また、両島を訪れる観光客輸送の手段として重要な公共交通機関です。ここ数年夏期利用客が増加傾向にあり、29年度も利用者が多かったことから、引き続き期間を限定した4便運航を実施します。高齢者の皆様の外出支援や高校生の通学支援など、引き続き高い就航率・快適性を確保すると共に、安全で安心できる航海に努めてまいります。

教育・文化の振興について

 学校教育につきましては、子供たちが生きていくこれからの時代に必要となる資質・能力を育成し、「高校卒業時の目指す子供のあるべき姿」の実現のために、「新島村連携型一貫教育」を村の教育施策の重要な柱と位置付けて引き続き推進してまいります。また島内に高校の無い式根島におきましては、中学校卒業後は新島高校、あるいは親元を離れ内地の高校に進学せざるを得ないという厳しい現実があり、小学校・中学校の9年間で確かな学力と生きる力を身に付けさせることが何より重要な課題であるため、子供たちの9年間を小・中学校の先生方が一緒になって育てていく小中一貫校「式根島学園 式根島小学校」・「式根島学園 式根島中学校」を30年度から開設することとしました。将来的には校舎を一体化する構想も持ちながら、式根島小中一貫校の教育の充実に努めてまいります。

 また、小学校では30年度から英語の教科化が先行実施されますが、村ではそれに先駆けて29年度、小学校6年生を対象とした「英語合宿」事業を実施しました。子供たちが英語を楽しく学びコミュニケーション能力を身に付ける機会として有効な事業のため、30年度も引き続き実施してまいります。またグローバル社会に生きる子供を育てるため、より実践的な外国語教育の推進が求められていることから、30年度はALT(外国語指導助手)の増員の予算措置を行うなど、引き続き外国語教育の推進・充実に努めてまいります。特別支援教育につきましては、障害のある児童・生徒や、「困り感」を抱えた児童・生徒が、それぞれの能力・適性等を最大限に伸長できるよう、学校と連携して教育環境を整備していくとともに、一人ひとりの教育のニーズを把握した支援を引き続き行ってまいります。

 施設整備面につきましては、光ファイバー網が整備され、ネット環境も格段に改善される見込みから、学校教育におけるICT化の充実に向けた準備も進め、教員のICT活用指導力および授業力の向上を図るための支援を行ってまいります。青少年健全育成につきましては、引き続きジュニアスポーツの普及・支援により子供たちの健全育成を図ってまいります。また年間を通して活動し、島外での大会等にも参加している各競技に引き続き遠征費の助成を行ってまいります。対外交流事業につきましては、岐阜県高山市荘川村、山形県鶴岡市羽黒地区及び東京都日の出町の小学生を新島村に迎え、新島・式根島の小学生と交流を行うことで、相互理解と郷土愛を育む機会を創出してまいります。また、引き続き「羽黒スキー交流」を実施するとともに「駅伝大会」への選手の派遣交流を相互に行い、羽黒地区および当村住民間のスポーツ交流もさらに発展させてまいります。生涯学習、文化振興につきましては、30年度も村民が生の芸術・文化に触れる機会や、著名な方を招いた講演会を企画してまいります。また、外国人観光客に新島・式根島の歴史・文化を知っていただくため準備を進めてきた村史跡、旧跡の外国語表記の案内板については、29年度11か所を更新しましたが、引き続き文化財保護審議会による新たな村史跡、旧跡の指定のための検討や作業を進めてまいります。国指定重要無形民俗文化財「新島の大踊」につきましては、例年どおり30年度も公開を実施します。また都指定無形民俗文化財「獅子木遣」につきましても神社・保存会等諸団体と公開に向けた調整を行っていくとともに、これら無形民俗文化財の保存伝承活動に努めてまいります。博物館においては、今後も住民の皆様への自然や歴史・文化に関する啓蒙活動を行っていくとともに、児童・生徒に対しても各学校と連携して、学習の場として活用する機会を引続き創出してまいります。28年度から実施してきた「放課後こども教室」「寺子屋」事業につきましては、参加者も増え好評なことから30年度も継続実施し、子供たちに放課後や週末の「遊び」や「学び」の場の機会を提供してまいります。

おわりに

 以上、平成30年の施政方針並びに予算編成の基本方針について申し延べました。

 我が国および東京都のおかれている少子高齢化及び人口減少といった状況を見ますと、当村の村政においても非常に高く厚い「壁」が立ちはだかっております。この「壁」を乗り越えるには、村政にかかわる者だけでなく、村民の皆様方と力をあわせることが必要です。引き続き全力を傾け、村政運営に取り組んでまいりますので、議員並びに村民の皆様のご理解とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。

                                       村長 青沼 邦和

お問い合わせ先

新島村役場企画財政課企画調整室
〒100-0402 東京都新島村本村1丁目1番1号
電話:04992-5-0204内線204 FAX:04992-5-1304

ページの先頭へ