施政方針
令和8年度施政方針
昨年は、国内外を取り巻く環境が大きく変化した一年でありました。わが国においては、女性初の高市総理の誕生により、経済安全保障や地方創生を柱とした新たな施策が打ち出されました。また、年明けの衆議院議員選挙においては、政権与党の圧勝となり、第二次高市政権が誕生しました。今後の政権運営に大いに期待するところであります。一方、世界的な情勢不安を背景とした物価高騰は、住民生活に深刻な影響を及ぼし、自治体にはよりきめ細かな対応が求められる状況となっています。
また、八丈島及び青ヶ島村においては自然災害による甚大な被害の発生など、改めて島しょ地域における防災・減災対策や生活基盤強化の重要性が浮き彫りとなりました。
こうした情勢の変化を踏まえ、当村においても、国や東京都の動向を的確に捉えつつ、住民生活の安定と地域の持続的な発展を最優先に据えた施策の推進が求められています。不確実性の高い時代にあっても、島しょ地域としての特性を強みとし、防災・産業・福祉・教育など各分野において、実情に即した取組を着実に進めていく必要があります。
住民一人ひとりの声に丁寧に耳を傾けながら、関係機関と連携し、将来世代に引き継ぐことのできる「安心して暮らし続けられる村づくり」に全力で取り組んでまいります。
以下、令和8年度における主要施策について申し述べます。
健全な財政運営を目指して
国は、令和8年度予算編成の基本方針として「強い経済」を実現する予算を掲げ、経済・物価動向等の対応や、子ども・子育ての加速化プランの推進、GX推進など、計画的に取り組んでいる重要施策を推進していくとしております。
また、地方財政については、一般財源総額を確保したうえで物価反映分等を加え、地方交付税は前年度から1兆2,274億円、6.5%増の20兆1,848億円となっております。
東京都においては、「2050東京戦略」の迅速かつ確実な実行に向け、大都市東京の強みをいかんなく発揮し、明るい未来を実現する予算と位置付けております。将来に渡り東京が世界の成長を牽引し続けられるよう、「人」が輝き、活力に溢れ、安全・安心な東京へとさらに進化させるための施策を、スピード感を持って積極的に展開することを基本方針とする予算となっております。
こうした中、「市町村総合交付金」は、関係者のご尽力により、対前年度比13億円増の718億円が計上され、市町村の課題解決に向けた財政支援が引き続き強化されました。
当村の令和8年度予算は、一般会計予算額51億3千万円、対前年度7.5%増、金額にして3億6千万円増となっております。
特別会計は、6会計で17億9,784万5千円を計上し、休止していた「温泉ロッジ事業」に代わり、新たに「ロッジとまりぎ事業」をスタートさせます。各種保険事業など住民サービスの安定的な提供のため、一般会計からの必要な支援も適切に行ってまいります。。
公営企業会計では、簡易水道事業会計が収益的支出1億3,846万9千円、資本的支出3,867万7千円。下水道事業会計は収益的支出3億4,764万9千円、資本的支出6億8,470万6千円となっております。
地域には多くの課題が横たわっております。課題を成長の種とし、国・東京都との連携を一層強化し、補助金等の財源確保に努めるとともに、基金や地方債を戦略的に活用し、無駄のない効率的な財政運営に努めてまいります。
職員の定員管理・人材育成・DX化
近年、超高齢化・少子化に伴う人口減少の進展、物価高騰や人手不足、国際情勢の不安定化など、厳しい社会経済情勢が続く中、自治体を取り巻く環境は大きく変化しております。このような時代にあっては、複雑かつ対処が困難な課題に対しても、迅速かつ的確に対応していくことが求められています。
当村のような小規模自治体がこうした状況に対応していくためには、効率的かつ柔軟な組織運営が不可欠であり、7年度実施を見送った機構改革について、改めて推進していく必要があります。
人材・人員の確保や職員住宅の整備を継続するとともに、保存書類の整理や執務環境の見直しを進め、機構改革の実現に向けた準備を着実に進めてまいります。同時に、企業人制度を活用してDX化への取組を加速し、効率的かつ省人化を目指した組織並びにシステムづくりに向けて検討を進めます。
昨年、村政始まって以来の不祥事が発覚し、住民の信頼を大きく損なったことを重く受け止めております。今後は、全職員が職業倫理や規律、全体の奉仕者としての自覚を改めて認識し、研修の実施などを通じて再発防止を徹底し、信頼回復に全力で取り組んでまいります。
住民の生命と財産を守る
防災対策については、新島村地域防災計画に基づき、住民の生命及び財産を災害から守ることを目的として取り組んでおりますが、自然災害の激甚化・頻発化により、想定外を許さない備えが一層重要となっています。引き続き、防災拠点における非常用電源の確保を進めるとともに、東京都・関係機関と連携し、実効性の高い防災体制の構築に努めてまいります。
また、昨年11月に実施した東京都・新島村合同総合防災訓練の成果を踏まえ、今後は、村単独による実働型訓練を計画し、防災会議等の意見を反映させながら実施してまいります。
あわせて、危機管理を担う人材の確保を早急に進めるとともに、体制強化に向けた部署の創設についても検討を進めてまいります。
消防業務
常備消防を有しない当村においては、消防団は住民にとって最も身近な防災組織であり、地域防災の要として極めて重要な役割を担っております。献身的に活動されている消防団員の皆様に深く敬意を表するとともに、今後もその活動を支援してまいります。
併せて、東京都消防訓練所等の指導・助言を仰ぎながら、消防団の防災力強化及び体制充実を図るとともに、必要に応じた消防設備の整備を計画的に進めてまいります。
コミュニティ活動の醸成
当村において、地域コミュニティの活力は島での暮らしを支える重要な基盤であり、島民同士の結びつきの強さは当村が有する大きな強みであります。島民まつりをはじめとする各種イベントは、世代を超えた交流を生み、地域への愛着と一体感を醸成する貴重な機会となっています。
地域コミュニティの更なる醸成を目的として、昨年に引き続き、島民まつりをはじめとする各種イベントを実施してまいります。
定住化対策および空き家対策
定住化対策及び空き家対策は、当村の将来を見据えた重要な施策として位置づけ、東京都の補助金を積極的に活用しながら着実に推進してまいります。
定住化対策については、相談窓口業務及び定住化体験住宅の活用を継続し、移住希望者への支援を行うとともに、住宅改修に係る補助率及び補助額を大幅に拡充し、住居確保を後押ししてまいります。
空き家対策については、空き家除却を定住化対策補助金から切り離し、新たに「新島村空き家除却事業補助金」を創設し、改修事業と同様に補助額の拡充を行い、居住環境の改善と安全確保を図ってまいります。
産業振興
産業振興全般については、当村のみならず全国的に、人口減少・少子高齢化の進行に伴う担い手不足や、働き方に対する価値観の変化などにより、産業を取り巻く環境が急速に変化しております。
また、近年の円安や世界的なエネルギー価格の上昇等を背景とした物価高騰などの要因により、各産業分野において厳しい経営環境が続いております。このような状況を踏まえ、事業者の生産性向上及び収益力強化を図るため、各種産業団体等と連携しながら、必要な支援に取り組んでまいります。
農林業事業
農林事業については、農業振興を図るための基盤整備として、農業用水源監視システムの導入、久田巻地区水槽増設工事、淡井井戸送水管更新工事を実施し、安定的な農業用水の確保に努めてまいります。
また、遊休農地の解消、農地の流動化及び長期的な保全を目的とした新規施策として、都の支援を受け、エリアを定めて村が主体となって行う小規模土地改良事業による農地整備を実施いたします。
ソフト面においては、当村独自の農業推進支援事業として、認定農業者及び認証農業者の皆様が規模拡大や生産性・出荷率の向上に取り組めるよう、農業経営支援を継続してまいります。
有害鳥獣対策については、鹿の生息域が山間部へ移行し捕獲が困難となっていることから、7年度に実施した生息状況調査の結果を活用し、効率的な捕獲・駆除を引き続き実施してまいります。
また、新年度からは従事者の契約形態を個人委託から農協への委託事業として、農協職員として雇用するなどの、更なる処遇改善及び福利厚生の充実を図り、従事者の安定確保に努めてまいります。
森林病害虫防除については、東京都農林総合研究センターの調査結果を踏まえ、地上散布や伐倒駆除に加え、樹幹注入等の防除手法を組み合わせ、予防的対策に重点を置いて対応してまいります。
水産事業
水産振興については、イルカによる金目漁の食害対策及び稚貝放流事業を引き続き実施し、水産資源の維持・回復に努めてまいります。また、中高生を対象に漁業体験教室を実施し、漁業への理解と関心を高める取組を継続してまいります。本事業の成果の一つとして、卒業生が今春より漁業従事者として当村で就業することが決定しており、今後は東京都の家賃補助事業を活用し、新規就業者の定着支援を図ってまいります。
水産加工業については、特産品である「くさや」の安定的な生産及び生産効率向上を図るため、施設改修や新たな機器の導入に対し支援を行い、事業継続に向けた環境整備を進めてまいります。
観光・商工事業
観光振興につきましては、東海汽船株式会社のジェットフォイルが1隻廃船となり、輸送力の減少が見込まれるなど、観光客の誘客がこれまで以上に厳しい状況となっております。このような中にあっても、当村の自然や文化資源の魅力を積極的に発信し、認知度向上を図ってまいります。
物産展や各種イベントを活用した対面型PRに加え、SNSやメディア広告を活用した情報発信を強化するとともに、2名の任期満了者が退職し、新たに2名の地域おこし協力隊の方々を迎える新島観光案内所及び式根島観光協会との連携を一層深め、村と関係団体が一体となった観光振興を推進してまいります。
また、各種スポーツイベントの開催や自治体連携を通じて交流人口の拡大を図るとともに、東京都補助事業「サステネクスト」を活用した新島ガラスミュージアム等関連施設のブラッシュアップを進めてまいります。さらに、営業を再開する「新島ロッジとまりぎ」については、指定管理者と連携し、サステナブルアイランド創造事業の趣旨に沿った事業展開を推進してまいります。
商工振興につきましては、地域経済振興の中心的な存在である新島村商工会との連携を一層強化し、島内事業者の経営基盤の安定化と地域経済の活性化を図ってまいります。
物価高騰が長期化する中、事業者を取り巻く経営環境は依然として厳しい状況にあります。今後も国の経済対策や支援制度の動向を注視し、適切な対応を図ることで、地域経済の安定と持続的な発展につなげてまいります。
健康で明るい暮らしのできる村を目指して
介護保険事業については、高齢化率の上昇に伴い介護給付費が増加している状況にあります。現在は「第9次介護計画」に基づき事業運営を行っておりますが、7年度に実施した「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」の結果や、サービス利用実績の推移等を踏まえ、「第10次介護計画」の策定に取り組みます。本計画は令和9年度から反映し、引き続き適切な事業運営を図ってまいります。
青葉会館及び式根島福祉健康センターについては、地域福祉及び高齢者福祉の拠点として、高齢者や児童の放課後の居場所、交流の場として幅広く活用されています。今後も村民のニーズを的確に把握し、多世代交流の場として多くの方に利用していただけるよう、関係機関と連携して取り組んでまいります。
新島老人ホームについては、厳しい経営状況が続いておりますが、健全な施設運営に必要な支援を継続するとともに、数年来の課題である人材不足の解消に向け、安定的な人材確保が図られるよう支援してまいります。
高齢者福祉については、独居高齢者や高齢者世帯への見守り活動を中心に、生活支援及び社会参加の促進に取り組むとともに、災害時対応として「要支援者名簿」及び「個別避難計画」の随時更新を行い、関係機関と連携しながら、安心して暮らせる村づくりを進めてまいります。
障害者福祉については、障害者及び障害児が必要なサービスを円滑に利用できるよう、相談支援体制の強化を図るとともに、就労支援事業を継続し、地域で安心して働き、自立した生活を送ることができる環境づくりを目指してまいります。
児童福祉については、多様化する子育て世帯のニーズに対応するため、「新島村版だれでも保育」の実現に向け、両保育園において、保育室を増設するとともに、引き続き保育人材の確保に注力してまいります。併せて、心理士による園児の行動観察や心理判定を実施し、専門的な助言を活かした「心身ともに健やかな成長を支える保育」を推進してまいります。
子育て支援については、母子保健事業としての妊婦の内地滞在に係る宿泊費助成や産後ケア事業を拡充するなど、「さわやか健康センター」「子ども家庭センター」を中心に、妊娠・出産から子育てまで、切れ目のない充実した支援を行ってまいります。また、虐待や育児に関する諸課題についても、東京都児童相談センターをはじめ、保育園、学校、診療所、警察等の関係機関と横断的に連携し、適切に対応してまいります。
後期高齢者医療については、東京都後期高齢者医療広域連合と連携し、安心して医療を受けられるよう、制度の円滑な運営に努めてまいります。
国民健康保険事業については、高齢者及び低所得者の加入割合が高いなど構造的な課題を抱え、厳しい財政状況が続いておりますが、急激な負担増とならないよう東京都と協議を重ねつつ、税額調整や収納率向上に取り組み、事業の健全化を図ってまいります。併せて、特定健康診査の受診率向上や生活習慣病予防、食育指導の充実を図り、医療費の抑制に努めてまいります。
健康診査及び各種がん検診については、健診後の丁寧なフォローアップを行い、疾病の早期発見・早期治療につなげ、村民の健康維持を支えてまいります。
予防接種事業については、小児定期予防接種の相談対応をはじめ、季節性インフルエンザ及び新型コロナワクチン接種について、診療所と連携し適切に実施してまいります。
健康増進及び介護予防事業については、健康講座、ヨガ教室、予防リハビリ教室、式根島はつらつ教室等を継続実施し、住民の健康意識向上と介護予防活動の支援に努めてまいります。
食育事業については、今月中に改定予定の「第四次新島村食育推進計画」に基づき、子どもから高齢者まで世代を超えた「つながる・広がる食育」を推進してまいります。
安心と信頼性のある医療業務
診療所運営については、新島・式根島の医科及び歯科ともに、東京都並びに協力病院の支援により、現在において、医師不足は生じておりませんが、今後も連携体制強化に努め、医師の安定確保に万全を期してまいります。また、看護職員及び事務職員についても必要な人員が確保される見込みであり、引き続き安定した医療提供体制の維持に努めてまいります。
専門診療については、順天堂医院及び昭和大学病院の協力のもと、新島・式根島合わせて6科20回、延べ40日の実施を予定しており、7年度から開始した式根島における眼科専門診療については、広尾病院の協力をいただき年間2回に拡充して実施いたします。
診療所の設備及び医療機器については、計画的な更新を進めており、本村診療所においてはレントゲン装置の更新、式根島診療所においては歯科ユニット用圧縮空気供給機器の導入を予定しています。今後も設備の充実を図り、より質の高い医療サービスの提供に努めてまいります。
生活の基盤整備
道路整備事業については、新島地区において、低地に位置し豪雨時に冠水の恐れがある路線から優先的に整備を進め、近隣宅地への浸水被害の防止を図るとともに、歩行者及び車両の安全で快適な通行環境の確保に向けて、引き続き、「村道堀端線舗装新設工事」を実施してまいります。また、現在通行禁止区間のある村道「羽伏浦バイパス線」につきましては、7年度より調査・測量業務に着手しており、今後は東京都が主体となって進めている「羽伏浦海岸浸食対策事業」との整合を図りながら、復旧に向けた取組を進めてまいります。「和田浜線」につきましても、引き続き東京都による海岸保全対策と並行し、必要な対応を講じてまいります。
式根島地区においては、下水道整備事業を優先的に進めておりますが、道路の損傷が年々進行していることから、整備が可能な箇所については順次整備してまいります。あわせて、村道式根が沢野伏線の拡幅整備に向けて、土地及び建物所有者を対象に実施した簡易アンケート調査の結果を踏まえ、新たに、用地買収費を計上するなど、事業実施に向けて取り組みを進めます。
無電柱化事業については、防災機能及び安全性の向上、良好な景観形成を目的として進めておりますが、都道無電柱化事業との調整により、工事工程に一部遅れが生じておりますが、新たに試験掘りを実施し、9年度からの工事着手を目指します。
公園事業については、「子どもの遊び場整備事業」として、若郷下山公園の改修工事を実施してまいります。また、簡易な修繕については即時対応とし、大型遊具の更新等を伴う大規模改修については、東京都補助事業を活用し、優先順位を定めたうえで計画的に進めてまいります。
村営住宅施設維持事業については、「公営住宅等長寿命化計画」に基づき、「東新田住宅外壁塗装及び屋上防水工事」を実施いたします。併せて、日常管理においては、故障や不具合に迅速に対応するとともに、退去時のリフォームを通じて住宅機能の改善及び利便性の向上に努めてまいります。
簡易水道事業については、人口減少の影響により使用料収入が年々減少する一方で、施設・設備の老朽化が進行している状況にあります。7年度に実施した「経営戦略改定業務委託」により、優先順位や他事業との連携、財源確保の見通し等を踏まえた経営戦略の見直しを行いました。今後も、安全で安定した水道水の供給を図るとともに、都道無電柱化事業に伴う支障水道管移設の設計及び移設工事等を実施してまいります。
下水道事業については、本村処理区の全面供用開始に向け、引き続き管渠敷設工事を進めるとともに、接続率の向上を図ってまいります。式根島処理区においては、管渠工事を計画どおり進めるとともに、処理場については、既に水処理施設の機能整備が完了しており、8年度中の一部供用開始が可能となる見込みです。なお、汚泥処理に係る機械・電気設備工事については、引き続き継続事業として進めてまいります。
簡易水道事業及び下水道事業ともに、6年度から公営企業会計へ移行した事に伴い、国及び東京都の動向を注視しながら補助金の確保に努め、引き続き健全で安定した事業運営に取り組んでまいります
港湾整備については、離島における住民生活を支える重要なライフラインであり、産業及び経済の振興に欠かすことのできない基盤施設であります。国及び東京都の整備計画を踏まえつつ、海運事業者や漁業協同組合等の関係者から意見を聴取し、整備手法や優先順位について村として要望を取りまとめ、事業の早期推進に向け、議会をはじめ関係各位と連携しながら積極的な要望活動を行ってまいります。
連絡船事業
連連絡船については、通勤・通学、物資の輸送、地域間交流など、住民生活に欠かすことのできない重要な移動手段であることから、高い就航率と快適性を確保するとともに、安全で安心な運航に努めてまいります。
現在、にしきドック時等においては、小型船舶「さじま」による運航を行っております。これにより、従来の漁船を利用した代船運航と比べ定員が増加し、小荷物や手荷物の取扱いも可能となるなど、利便性及び安全性の向上が図られ、にしき不在時における住民の皆様の負担軽減につながったものと考えております。また、にしきのドック期間についても見直しを進め、7年度から海象条件の厳しい時期を避けるなど、さじまによる安全運航が確保できるよう工夫しております。
懸案である「にしき」の新造船建造時期につきましては、船体調査を実施することにより、使用可能年数等を精査したうえで、慎重に検討してまいります。今後とも、更なる安全性の向上を図りつつ、住民の皆様により快適にご利用いただけるよう、緊張感をもって運航に取り組んでまいります。
教育・文化の振興
当村の学校教育については、子どもたち一人ひとりが自らの可能性を最大限に発揮し、未来を力強く生き抜く力を育むことを目指し、「新島村連携型一貫教育」の推進を教育施策の柱としております。保育・幼少期から小・中・高等学校までの学びを段階的かつ一貫してつなぐことで、子どもたちの成長を切れ目なく支える教育環境の整備に取り組んでまいります。
式根島学園については、少子化の進行を踏まえ、児童生徒にとってより良い教育環境を確保するため、7年度に設置した「新島村立小中学校適正規模・適正配置等審議会」において、教育の現状と将来の方向性について幅広く審議を進めております。今後も引き続き、地域の皆様と丁寧に意見を交わしながら、式根島における教育の在り方を明らかにし、持続可能な教育体制の構築に向けた検討を進めてまいります。
新島高校への「離島留学」プログラムについては、ホームステイ先の確保が依然として困難な状況にあり、新たな留学生の受入れを断念せざるを得ませんでした。今後は、引き続き、ホームステイ先の発掘・確保に取り組むとともに、寮や宿舎等の施設整備、地域の力を活かした運営体制の構築も視野に入れ、将来的な受入れに向けた環境整備を検討してまいります。
教育支援については、困り感や障害を抱える児童生徒が増加する中、当村においても一人ひとりの実態や特性を丁寧に把握し、それぞれが持てる力を最大限に発揮できるよう、特別支援教育の充実に努めてまいります。また、不登校児童生徒に対しては、「新島村教育支援センター」を中心に、安心して過ごせる居場所の提供と、個々のペースに応じた学習支援を継続して行ってまいります。さらに、地域学校協働活動の枠組みを活用し、地域の多様な人材と連携することで、学習支援や体験活動、交流の機会を拡充し、学校外においても子どもたちが社会とのつながりを感じながら成長できる環境づくりを進めてまいります。
「学校を核とした地域づくり」の推進に向け、地域学校協働活動を一層活性化させるとともに、学校と地域の連携・協働を深める仕組みづくりを進めております。新島小学校においては「学校運営協議会」の設置を予定しており、今後順次各校へ拡大することで、保護者や地域住民が学校運営に参画し、地域全体で子どもたちを育てる体制の構築を目指してまいります。
また、11月には、新島小学校が創立150周年を迎えます。これまで地域とともに歩んできた歴史を振り返り、未来へつなぐ機会として、記念事業等を通じて、その意義を子どもたち及び地域の皆様と共有し、学校と地域の絆をより一層深めてまいります。
教育環境の整備については、管内小中学校体育館へのスポットクーラー導入を予定しており、夏季における授業や行事、部活動等において、児童・生徒が安心して活動できる環境の確保を図ってまいります。併せて、今後の気候変動や施設の老朽化を見据え、各校体育館への空調設備整備についても、必要性及び実現可能性を慎重に検討してまいります。
ICT教育については、GIGAスクール構想のもと、ICT支援員による専門的な支援を継続し、教職員の授業力向上を図るとともに、子どもたちが情報を正しく活用する力を、日々の学びの中で身につけられるよう取り組んでまいります。
生涯学習及び文化振興については、博物館を中心に、村民が学びや文化に触れる機会を創出するとともに、自然、歴史、文化に関する情報発信や啓発活動を推進してまいります。併せて、展示資料や重要書類の適切な保管環境を確保し、来館者が快適に利用できる環境整備の一環として、空調設備の更新工事を実施し、文化財の保存と活用の充実を図ってまいります。
現在、多くの地方言語・方言が消滅の危機に瀕しており、新島の方言も例外ではありません。世代交代に伴い急速に衰退が進んでいることから、国立国語研究所との連携のもと、地域社会と研究機関が一体となり、新島の言語の記録と次世代への継承に取り組んでまいります。また、当村独自の歴史や文化を改めて見直し、地域づくりに活かす取組も重要であります。ユネスコ無形文化遺産に登録された「大踊」をはじめ、国内外で評価されている文化財を、当村の貴重な文化資源として再認識し、後世への継承を図ってまいります。
地域交流については、交流町村との関係を一層深め、相互理解と郷土愛を育む機会を創出してまいります。こうした交流を通じて、子どもたちが多様な価値観に触れ、広い視野をもって成長できるよう、今後も継続的な交流事業の充実を図ってまいります。
以上、令和8年度の施政方針について申し述べさせていただきました。
村民の皆様並びに議員各位におかれましては、なお一層のご支援、ご協力を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。
令和 8年 3月 5日
村長 大沼 弘一
新島村役場企画財政課企画調整室
〒100-0402 東京都新島村本村1丁目1番1号
電話:04992-5-0204内線204 FAX:04992-5-1304

