診療所便り­­­­­­­~­V­o­­l­­.­­­20~緊急ヘリコプター搬送という仕事

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緊急ヘリコプター搬送という仕事

本村診療所 貝原俊樹

今月のコラムを担当する本村診療所の貝原です。新島に住み始めて1ヶ月経ちましたが,さすがに前住んでいたせいか,いい意味で新鮮さは無く(笑)馴染ませて頂いてます。

さて,今回は身近なようで(?),医師としては村民と全く身近になって欲しくない緊急ヘリコプター搬送(いわゆる「ヘリ搬」)についてです。テレビ番組などで「スーパードクター」「ドクターヘリ」の特集をしばしば見掛けますが,実際はあそこまでテレビ的(=かっこいい,画になる)ではありません。自分は今年で離島医療歴約4年,ヘリコプター添乗歴約3年ですが,未だにヘリ添乗は苦手です。

まず,自分がヘリ添乗の当番になっている日はお酒を(あまり)飲めません。そのまま平和であるように祈りながら眠りにつきますが,残念ながら呼ばれるのは大体深夜です.22時とかならまだ良いものの,27時位に呼ばれると「搬送終了⇒そのまま翌日勤務」となり,フラフラです。おまけに病院の当直とは別物なので,常日頃からの体力作りが本当に大切だと実感します。

熟睡している時にけたたましく携帯電話が鳴ると,眠い目をこすりながらタクシーで病院に行き,スーツケース位ありそうなバッグ(様々な物品が入っています)を背負ってヘリポートに向かいます(新木場にある東京ヘリポートが多いですが,場合によっては羽田空港や神奈川県にある自衛隊の厚木基地までドライブすることもあります)。ちなみに「ドライブ」と言っても救急車に乗せてもらってヘリポートまで向かいます。サイレンが鳴っている救急車でもこのように患者さんが乗っていない場合があるのですね。

さて,いざフライトですが,自分の場合行きは爆睡です(眠いので)。巡航速度は大体時速300km弱なので,例えば新島ならば30分程で到着します。患者さんを乗せてからは当然一睡も出来ません。原則的に高速で巡航している時は揺れが少ないですが,万が一点滴が抜けてしまった(!)などでずっと下を向いて作業したり紹介状に目を通していたりで油断すると酔います。外の景色を見て気を紛らわそうにも深夜の海上は真っ暗なため八方塞がりで,ともに添乗している救急救命士(最低2名はいます)が医者にも患者にも「大丈夫ですか?」と言う羽目になり,笑えません。

ヘリコプター添乗はこのようになかなか壮絶な仕事ですが,3年もやっていると面白いエピソードや考えさせられるエピソードもあります。今回は書き切れなかったので,続きはまた今度にしようかと思います。最後に,よくお世話になる東京消防庁航空隊のヘリコプターを載せて終わりにします。

①中型機.10人強は乗れます.「つばめ」や「かもめ」など3文字が多い。(東京消防庁HPより転載)

東京消防庁HPより転載(中型機)

②大型機.20人強(!)は乗れます.「はくちょう」や「ゆりかもめ」など5文字が多い。(東京消防庁HPより転載)東京消防庁HPより転載(大型機)

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〒100-0402 東京都新島村本村4丁目10番3号
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