診療所便り~Vol.2~

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タイトル「夏がくれば思い出す・・・」

こんにちは。式根島診療所の山下です。第2回のコラムは私が担当いたします。

式根島は整備された海水浴場4か所・屋外温泉3か所・屋内温泉1か所など見どころ満載の観光スポットです。そのため毎年多くの観光客の方に訪れていただいてます。
今回は、夏季の式根島での観光客の方々の受診状況について振り返り、その傾向を探って式根島観光をより安全に楽しむための注意点を考えてみようと思います。

○受診状況
・H26年7月14日~8月31日 観光客(島外在住の方)の受診状況(計52名)
発熱を中心とした症状:14名
自転車運転中の転倒事故:10名
ハチ・クラゲ・その他虫などによる皮膚の障害(=虫刺されなど):9名
胃腸炎と思われる症状(嘔吐・下痢など):4名
魚骨による咽頭異物:2名
日焼け:1名
自動車対人の人身事故(軽傷):1名
海への飛び込みによる鼓膜損傷:1名
溺水:1名
持病の悪化:1名
その他:8名

○観光客の皆さまへ ~安全に式根島を楽しんでいただくために~

(1)自転車の運転に気を付けましょう

式根島は伊豆諸島の中で面積の小さな島なので、移動手段として自転車はとても便利な乗り物です。しかし、式根島は急な坂道が多数ある地形で坂道を下る際に転倒する方が多数いらっしゃいます。下り坂ではブレーキをしっかり活用しスピードを控えましょう。

(2)マリンシューズを履きましょう

海水浴中にウニなどの棘のある海生生物を踏み診療所を受診される方がいらっしゃいます。今年はその予防を啓発するため各商店にマリンシューズの必要性を記載した掲示を行いました。来年度以降も同様の啓発を行なっていきたいと思いますが、式根島に来島される際にはマリンシューズなどのご準備もお忘れなく!

(3)ラッシュガード・日焼け止めを有効活用しましょう

夏休みに海水浴に行き日焼けをすると夏を満喫した気分になりますが、式根島に限らず島での日差しは非常に強いです。何も対策をせず海水浴を行うと、重度の日焼け=やけどの状態になってしまいます。そうならないようにラッシュガードを着る・日焼け止めを塗るなど、日焼け対策は万全に行いましょう。

(4)魚の骨に要注意!

伊豆諸島は各地でたくさんのおいしい魚がとれます。さらに民宿で調理される焼魚・煮魚、どれも非常に美味です。その中で要注意の魚が「タカベ」です。体長20cm程度、ひれが黄色いことが特徴的で、こちらもとてもおいしい魚ですが(私もよく塩焼きなどにして食べます)、中骨が比較的大きく「タカベの骨がのどに刺さった」という訴えで診療所を来院される方がいらっしゃいます。その他の魚に関しても骨には気を付けながら、美味を堪能してください。

(5)こまめな水分補給

今年の夏期は熱中症・脱水症状で診療所を受診された観光客の方はいらっしゃいませんでした。最近はテレビCMなどでも熱中症対策が宣伝されており観光客の皆さまも注意をされていたのではないかと思います。市販のスポーツドリンクやOS-1®(大塚製薬)・アクアライト®ORS(和光堂)といった商品も販売されております。海水浴・温泉入浴の際にはこまめな水分補給をお願いします。

(6)飲酒後に海に入らない

飲酒した後の海水浴は非常に危険です。今年は飲酒後に海中に入った状態で波に巻き込まれ溺水となった方がおりました。式根島の海水浴場の波は比較的穏やかとはいえ、いつ急に大きな波がくるかわかりません。また、飲酒状態では正常な判断ができないことが多いです。飲酒したら海水浴はやめましょう。

 最後になりますが、当HPの[観光客の皆さまへ]のページにも記載してある通り、新島・式根島ともに救急車がありません。急病・ケガなどで動けない場合には、搬送車を要請することは可能ですが搬送までに時間がかかってしまいます。極力、自力での来院をお願いします。また、受診を希望される際には来院の前に診療所へご連絡お願いします。
観光客の皆さまには安全に新島・式根島を堪能していただきご自宅に戻っていただきたいと思います。何よりもケガなどの発生を予防することにご注意ください。

2014.11.1
式根島診療所 所長 山下 匠

お問い合わせ先

新島村国民健康保険本村診療所
〒100-0402 東京都新島村本村4丁目10番3号
電話:04992-5-0083 FAX:04992-5-1131

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