| 第1回1994年6月18日(土) 山本文郎 塾長 |
| 講演テーマ『言葉で広げる豊かな人間関係』 |
人は生まれた環境で言葉が少しづつ違います。鳥取県出身の父と島根県出身の親もとで東京で育った母親の間に生まれた私の言葉は、純粋な東京語ではありません。この言語環境で育った私は、入社当時、五十音の発生練習を徹底的にやらされました。ある航空機会社の機内アナウンスの講師を依頼されたとき、いい声をしているのに声を出さずに損をしていると思った事があります。訳を聞いてみると、アクセントに自信がない為で、標準語が話せないから……といったものでしたが、日本語に標準語は無く、東京方言がそう思われているだけで、あえていうなら共通語ということになります。(NHK)の放送で使われたのが広まったとされている)
| 入塾許可書を受け取る塾生 | 文さんからのアドバイス |
方言が生まれてきたのには、地理的条件と人為条件があります。地理的条件は交通の便がなく孤立した様な地域で発生したと言われ、人為的条件は徳川幕府の隠密に悟られないように藩のなかの人間だけがわかりあえる言葉を使った為と考えられています。方言は、置き換える事が出来ない言葉が多くあるので、大切にしてください。ラジオ、テレビの影響で共通語は自然に耳に入って来ます。両方の言葉が話せることは一つの財産でもあり、とても素敵なことだと思います。また、アクセントというのは時代によって変化して来ていて、現在は平らになってきています。人と人とのふれあいは、非常に大切であり、これからも言葉を大事に育てていきましょう。
| 第2回1994年7月9日(土) 役場各課長 |
| 講演テーマ『新島村の現状と将来計画について』 |
| 役場の各課長よりそれぞれの仕事内容(現況報告)、計画している事業についての講義が行われました。塾生は、各々が考えてきた質問や講義内容で疑問に思ったことなどを積極的に質問していました。
短い時間ではありましたが、村にとっては、住民(塾生)との接点がもたれた有意義な内容であり、また、塾生にとっても自分たちが暮らしている地域を知る良い機会となったようです。 |
| オーストラリア研修視察9月10日(土)〜17日(土) |
| シドニー・ゴールドコースト・ケアンズを山本塾長の案内で視察。 |
| 第3回1994年10月22日(土) 地域プランナー 佐野俊之先生 |
| 講演テーマ『村おこしの為のコミュニケーション戦略』 |
(視察に行ったオーストラリアを例に挙げ)観光とデザインの振興を国策として40年間推進している国で、日本においては常に訪れたい観光地のトップ3に名を挙げられています。
これは、コミュニケーションレベルでは、すでに到達していると思われます。(イメージとしては、観光に生きたいと思わせる事に成功した)また戦力としてみると、シンボルを明確に打ち出しています。(コアラ、カンガルー、オペラハウス、世界一の安全を誇るカンタス航空等)そして、観光に力を入れている国としては国全体の意志統一がなされていて、世界に情報を流すには良い条件が揃っていました。
地域活性化のコミュニケーション戦略とは、地域の個性と魅力をつくり、それを地域の中の人や外の人に伝えていこうとする、もくろみであり、地域の情報を発信→認知→理解→評価され、人・もの。情報にフィードバックされる事です。
情報の出発点はゴールと言われていますが、テーマがはっきり打ち出されていなければ、戦力として成り立たなくなってしまいます。そこで、地域間の格差であると考えていいと思います。情報の価値が大きなものになっている現在、情報をどのように組み立てるかが、キーポイントです。
※講義の終わりに佐野先生から。
「新島村のような小さい島で少ない人口の地域は、思い切ったことが出来ると思います。(例を挙げて)もし電気自動車だけしか走らない島だとしたら、環境を大切にしている島として日本はおろか、世界中に知られる地域となるでしょう。日本の中の光る個性であれば、日本人として世界に誇れる場所となり、喜びを共感できるものとなるはずです。」
| 第4回1994年11月26日(土) ジャーナリスト 江森陽弘先生 |
| 講演テーマ『好奇心で読み取る人間のシグナル』 |
「日本は世界一の長寿国」という見出しについて、半分は本当で半分はウソです。どこがウソかと言いますと「長寿国」がそうです。長寿の意味は、長く元気で健康に暮らすことですが、日本のお年寄りはそうではありません。長寿の秘訣は歩くこと・考えること・働くこと・の三つで、最近、地方の人は歩かなくなったと聞きます。どこへ行くにも車です。結果として、足腰が弱まり、人間が消極的になり、家にこもってひがみっぽくなります。
また、どんどん外に出ていく自分の同年齢の人を見てやきもちをやき、ストレスがたまっていく、そこから、様々な病気に発展する可能性が高くなります。
○作家の宇野千代さんとの大福問答 〜お年寄りのシグナル〜
私が作家の宇野千代さんのところにインタビューに行った時に千代さんから「大福と私のほっぺたとどちらが柔らかい?」という質問を受けました。千代さんは96才、どうみても大福の方が柔らかいに決まっている。でも2分間悩みに悩んだ挙げ句に、意を決して「大福!」と答えたらニコニコしていました。「何故?」と逆に質問したら「ジャーナリストのあなたが2分間迷っていたんだから、私と大福の差はないってことでしょ」……何ってずうずうしいんだと思っていたと同時に、高齢化社会はずうずうしくなければ生きていけないというメッセージに思えました。
「江森さん、年を取るのは悲しい事でね、脳細胞がどんどん死んでいっているのよ」そう言いながら寝室に座卓を置きいつでも思い浮かんだ文章をすぐに書けるようにしている。自分の衰えを自覚しているが、それを補う努力もしている。96才で!
○人間の評価〜我が子からのメッセージ〜
自分の子供には「人生は短い、自分の好きな事を早く見つけ、それに向かって進め」と言ってきました。私には28才の娘と25才の息子がいますが、息子は小さい頃から車に興味があり、将来はある企業の自動車開発を行っている研究所に勤めたいと言い続けていました。そこはほとんどが東大卒の人であり、息子はというと高校時代クラスで40人中36番という成績でした。ある日通知表を見せられた時「何だお前、後ろには4人しかいないじゃないか」と言ったら「お父さん、そんな暗い考え方しかできないの?もっと前向きに考えてよ!まだ4人いるじゃない」そう言われました。
リストラ・就職難・学歴社会は長く続かないでしょう。何故なら学校の評価だけでは、人間の本質を表すことはできないからです。
勇気をもって、自分の子供の偏差値を親の視点から付けてあげて下さい。今、息子は研究所は無理でしたが、自分の工場を持つために修理工場で働いています。
| 第5回1994年12月24日(土) お天気キャスター森田正光先生 |
| 講演テーマ『お天気博士の人間予報』 |
近年、地球の温暖化・エルニーニョ現象の多発等、地球規模の長期間の気象の変化は、例えば森林破壊や膨大なエネルギー消費等に起因する人為なものではないかという見方がありますが多少は遠因するとしても、そうではなく自然の大きなうねりの中の現象だと思われます。
環境問題に人々の意識を引きつける言語─「地球温暖化」「オゾン層」「酸性雨」「環境破壊」─等マスコミにおける使用率が89年から急増していますが、そこに作為的なものを感じます。
実は裏に、世界経済の事情があるのではないかと囁かれています。米ソの冷戦終結によってドル高等、経済の破綻を招き軍事費を削減せねばならず、軍事産業に代わるビジネスとして環境ビジネスの台頭が必要であり、まず大衆の意識改革をしていると考えられます。
無論、環境問題に目をむけることは良いことです。しかし、人間の意識が変化していき、現在のエコロジーブームが風化した後が心配されます。環境に対する危機感を持ち、自分達で自然を守る姿勢を持ち続けていきたいと思います。
| 第6回1995年1月28日(土) リゾート評論家中村かつろう先生 |
| 講演テーマ『一人一人が輝くスターになろう』 |
(最初に昨年に引き続き、サービスコミュニケーションの移り変わりを説明)すでに日本のサービス産業は円高、人件費等が高いため国際的競争力はほとんど無くなっています。新しいサービスを考えると主従関係をなくしていき、マンツーマン方式はとらないで、コストを抑え、今までにないコミュニケーションの方法を採用していくことが必要です。沖縄のある島では、漁師達は伝統的な漁法を使い、魚を捕獲し食べていました。時代が変わり魚をお金に換えるようになり、そして現在はその伝統的な漁法を紹介することによって、漁師自身が情報を発信する存在(スター)になっています。昔と同じ漁法でも、我々の位置づけで違ったものになるわけです。
島おこしを担っていく人達が輝くスターの様な存在であればこれからのサービスを考えていく上で、一番協力な原動力になると思われます。
自然を破壊して大きな建物を建てたりするのは無意味なことで、限りある資源を有効に使っていくためには、その土地々々の情報を発信できる人を育てていかなければなりません。そのためには、皆さんが島の歴史・史跡・観光名所・産業……etc、等の知識を持った島の専門家になることです。