それは一枚のFAXからはじまった!!
1993年(平成4年度)3月。私は、いよいよ来年度から人材の育成にとりかからなければならない状況に追い込まれていた。
私が所属する21クリエートセンターは、1992年平成3年度3月に人材育成を主要な目的として
建設された施設である。
その年の4月、5年間在籍していた観光商工係から21クリエート係に移動した。ただし職員はひとりであり、中身のソフトを企画し運営していかなければならない。でも私の心の中は、やる気と希望で満ち溢れていた。自身で勉強して自由に、そして確信を持って運営してみたかったのだ。
当初は色々なところの研修やシンポジウムに勉学のため参加させていただいた。それでもある時気づいた。大勢の人が日本中から学ぼうと参加している。つまり裏を返せばふるさとに帰ればみんな同じことを
『活性化』と銘打って実行するんじゃないか?
そうしたら例のリゾートと一緒でまたこれも全国金太郎飴ではないか!
今自分が目指すのは型破りで大胆な発想と行動力ではないか!!
そう気づいた時、自分自身を信じることにした。
平成4年はこうした気持ちのなかで、自治体では初の『島だからできる講座』サーフィンスクールを実施し、海の恐さとマナー、それに楽しさとふかさを教えていった。(ちなみに彼ら彼女らが今は成長し、もうすぐプロサーファーがでそうである、そうして島を愛し自然に敬意をはらう人を生むこともりっぱな人材育成なのである。)
また、住民の思いを実現させるために署名を集めて、少ない報酬で椎名誠氏と沢野ひとし氏に来島し講演していただいた。さすがに椎名さんたちは粋で『こんなに希望されたら行くしかない』と思い、来て下さった。思えば様々な人たちから人間同士の本当のつながりを教えてもらったのだろう。
話しが大分それたが、そうした1年がもうすぐ達とうとする頃、本格的な人材育成機関”島民塾”の運営について悩んでいた、というよりある程度の構想はできていたのだが、その核となりリーダーの中のリーダーとなる人、つまり初代塾長が見つけられなかった....いやいるんだ。そういるのだけどお金はない、知り合いもいないどうしようか?という感じだ。
その人こそジャーナリストとして世界初、また日本人初の宇宙飛行士となった当時TBS社員であった秋山豊寛氏である。
私は無論秋山氏とは面識もなかった。
一か八か、私は思いのすべてを書き無謀にもTBSへとFAXを送ったのだ。
無謀とは書いたが、私の心は実はこんな感じだ。
絶対引き受けてくれる!!!
奇跡が起こる!!
もしかしたらダメかも...。
奇跡は起きるのだ。私が一生懸命念じて送ったFAXを、TBSのFAXの場所をたまたま通り過ぎようとした秋山氏が見てくれたのだ。
あとから聞いたことだが、『無鉄砲な奴がいるもんだ、こいつよっぽど困っているんだな』と思ったらしい。確かに私は当時必死だった。『できないなら仕方ない』なんて人には言うけれど、本人はこれっぽっちも考えていないのだ。だいたい人というのは、思う力と自信それにあきらめない気持ちがなければ何をやたって成功しないものだ。(と思う)
TBSのいのう二平氏E-Mail:INOH@kr.tbs.co.jp(初代島民塾から四期まで担当事務局でこの方も数々の型破りな事業を手掛けている)からの留守番電話を聞いたのは、用事で21クリエートセンターに行った日曜日の昼頃である。私は当然のように思った、わけがない、飛び上がって喜んだ。
内容はこうだ『秋山さんが面白そうなので話しがしたいと言っています、いつ東京にこれますか?』
さっそく返事『明日伺います』。
その後の行動はこうだ。
村長の家に出張の許可をもらいに行く。(実は塾長を誰にするのか話しをしていない、なぜかって?誰だって無謀だと思うよね)
村長宅に着く、村長は休日とあって庭の畑で鍬を振りかざし、汗、汗。
いきさつを話す。(村長、鍬を持つ手を休め、肩にかけた白いタオルで汗をふく)
村長『すごいなー、よし行って来い、私が責任を持つ』
そうおしゃって下さいました。その事柄の重要性を瞬時に判断し、結果に責任を持つことはすごいこと。
上京して、秋山氏がおしゃってくれたこと今でも忘れません。
『富田君、今日から君は僕らの仲間だ』。
島民塾はそう、秋山さんと私との出会いからスタートしました。
今でもそうだが当時は帰還して数年であり全国の講演活動や会議、また本来のジャーナリストの仕事で多忙の日々をおくられていた秋山氏なのに、小さな島から出した一枚のFAXから真実を読みとり、そして動いてくれる。ジャーナリストとして地球上で初めて宇宙に行くという誰よりも型破りで大胆な行動力そしてあきらめない精神をもったそんな秋山豊寛宇宙飛行士を初代島民塾長に迎えることができたのも........
一握りの勇気と自信とあきらめない気持ちがあったから。
1997年、今年で5年目を迎えた島民塾の塾長には、第1期修了生、そう秋山塾長の教え子の梅田久美さんが就任しています。ありがとうございます。
東京都新島村企画財政課企画調整室
21クリエートセンター&インターネット担当 富田浩章
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